柴田さんのSTS−135取材 スペースシャトル最後のフライト

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ガーランド中継点



2011年7月15日〜16日 オーランドから日本へ

 混み合うオーランド国際空港での手続き時間を考慮して、午後の便に乗る予定なのに朝8時頃にはホテルを出発する。こちらも混むだろうと思っていた道路は、これは予想外に空いていて、9時頃には空港に着いてしまった。
 早速、デルタの窓口でチェックインしようとしたが、パスポートに反応してくれない端末に苦戦した。だがこれはアメリカ人向けの端末だったらしい。案内された端末にNPと荒っぽく油性ペンで書かれていたのだが、これがノーパスポートという意味だったようだ。案内されて、これだと指示された機械がそうなのだから困る。この俺のどこがアメリカ人だーっ(笑)。
 次は預ける荷物が50ポンドをオーバーしていて、超過料金として50ドルを払うか、あるいは中身を手荷物に移動して軽くしろと言われる。円高とはいえ50ドルとはたまらんなあ。どうやらケネディ宇宙センターでもらったSTS−135関連の書類が、かなりの重さになってしまっているようだ。また、各州のデザインがされた25セント硬貨が30枚以上も入っていたっけ。
 このため書類を背中のリュックに移動し、ついでに500ミリのレンズも手で持った。これで47ポンドになってくれたのだが、背中のリュックがずしんと重くなった。戻ってくるときは、もっと余裕が出るように機材と着替えを減らそうと真剣に考える。

 このように、いろいろあった後に羽田行きのチケットが渡されたのだが、よく見ると座席番号が無い。これはどうしたのかと戻って聞いてみたらば、まだ座席を確定させていないので、乗り場のカウンターで再発行してもらえとの指示である。あれ、そうだっけ?
 …そういえば、昨夜のうちにチェックインしろとメールが来ていたのだが、ビザ持ちでESTAでの登録が無いため必ずエラーになり、やっても途中から進まないので見向きもしていなかったのだが、そうか席を指定していなかったか。これは不覚である。
 こうしてようやくゲートに着いたのは10時頃だ。随分と手間取ったけど、それでも3時間程度の待ち時間があるのかあ。ちょっと余裕を見すぎたけれど、何かあると吹っ飛ぶ程度の時間だから仕方ないね。

 空港にXの形で配置されているモノレールのひとつで待合所に向かう。ここにあるデルタのカウンターで席の確定をしてもらおうと職員に聞いたらば、12時頃にまた来いと言われた。早すぎて受付時間にも達していないかったようだ。
 そんな訳で、ネットでも見て時間つぶしを…などと思っていたのだが、以前は簡単に繋がっていた空港の無線LANが繋がらない。どうもパソコン側のセキュリティレベルを下げないと認証できない感じがする。試してもいいが、それはとても不安な事なので、レンタルしているポータブルWi-fiで接続した。やっぱり役に立つねえ、このポータブル機は。

 そのあとしばらくして、何やら不穏なアナウンスが聞こえてきた。えーと、使用する機材が遅れているので、折り返しのデトロイト行きも遅れる…って?
 ネットで確認すると、1時間程度の遅れを出しているようだ。しかも見覚えがあるなと思ったら、先日デトロイトからオーランドまで乗ってきた便ではないか。もしかすると遅延が発生しやすい何らかの原因があるのかな。
 まあ1時間程度の遅れなら、こちらにとっては問題ない。やっぱり余裕(というか保険?)は必要だよね。

 昼過ぎに来いと言われていた席の確定は、これは時間通り行われた。B757の席でFというと窓際の席か。まあデトロイトまでは2時間程度だからいいけど、日本行きで窓際だったら辛いなあ。そう思って確認すると、こちらもFである。…あちらはB777だから通路側のはずだ。こちらはOKだな。

 そんな訳で、1時間程度遅れたデトロイト行きに乗り込み離陸。ぼーっと地上を眺めていたのだが、あれ、なんだか見覚えのある地形になってきたぞ?
 あっ、あの特徴的な砂州はケープカナベラルではないか!
 手前の道が528号とか1号とか、ちょっと前まで居た場所そのものだ。どういった飛行ルートになればデトロイト行きが大西洋側に寄るのかは不明だけど、何らかの理由で直線ルートではなかったらしい。
 既に電子機器の使用許可が出ていたので、すぐにカメラを出して撮影を始める。おお、ケープカナベラル空軍基地のロケット発射施設や発射路だけでなく、ケネディ宇宙センターのVABや39Aと39Bの発射施設もよく見えるなあ。シャトル用の滑走路だけは残念ながら殆ど雲に隠れていたけれど、なかなかな良い体験であった。ここの空撮なんて、そうチャンスがあるわけではないからね。
 (※ケープカナベラルの発射路:ここに空港を造る計画を出したが、すぐ近くに既存の空軍基地があるという理由で認められず、それならばと水平発射式のミサイル施設だと言って造ってしまったという話が伝えられている。そのためか今でも発射路と呼ばれているが、機能は空港そのものである。[角川文庫・宇宙はジョークでいっぱい]より)

 後はいつも通りの飛行で、デトロイトに着陸。遅れたのは確かだが、もともと乗り換えの時間が十分にあったので、余裕で羽田行きに間に合う。コンセントのある場所に陣取ってノートパソコンを広げ、搭乗時間を待つ。
 そのあと、ペットボトルの飲料水を探しに出た柴田は、そこに寿司バーなるものを発見。俄然興味が湧いたが、残念ながらタイムリミットであった。うーむ、次回来るときはチャレンジしようと心に誓い、B777に乗り込んだ。
 羽田行きはまたガラガラで、隣に誰もおらず楽であった。これが8月末で一旦運休か、あるいは減便してしまうのが惜しいような、これでは当然のような…。
 (※2012年から通常運行を再開する予定とのこと)

 羽田には22時頃に着陸。誘導路を走り回ってたどり着いた場所は、えーとボーディング・ブリッジでは無くてバスで空港ターミナルに行くのか。経費節約なのか、それとも運休が予定されている便なので冷遇されているのかは知らないが、手荷物が多いと面倒だな。

 空港からはホテルの送迎バスが出ているので楽である。チェックインして部屋に入ったら、既に日本時間では7月16日が終わろうとしていた。飛び立ったオーランドが7月15日だった事を考えると、やたら短い7月16日だったな。


2011年7月17日 山形へ

 チェックアウト後、秋葉原に出向いてデジカメを買う。リコーのCX3から新型(当時)のCX5に変更だ。これなら予備バッテリーや充電器がそのまま使える。一眼レフは画質はいいのだが持ち歩くのが大変なので、こういった軽いカメラは重宝する。ただ、もう少し画素数の高い機種が良かったのだが、水準器を内蔵している機種って意外と少ないのよね。最初から水平が出ていると面倒な調整をしなくて済むのだ。
 (※トリミングが必要になる事も多いので、画素数はある程度高い方がいいが、優先すべき事は他にもある。ロケットを撮っていると、カメラに要求する性能が一般の評価と違うことがよくある)

 そのあと急いで新幹線に乗り込み帰宅。えーと、明日にまた東京に戻ってくるってホントかいな。いや、そのあとまたアメリカに戻るってのも…。
 家では大慌てて荷物の入れ替えを行う。まず、今回の渡航でトランクが破損したので、国内用の小さいものと交換した。この影響で大きい三脚がトランクに入らなくなり、少し小さい三脚をひとつだけ持つことにした。着陸の撮影では2つの三脚を使う余裕は無いだろうと判断したこともある。(※正解だった)
 そして多すぎた着替えを減らし、そして2台もあった一眼レフを1台に、またその関連機器も減らして大幅に減量する。もちろん暗い500ミリレンズを明るい200ミリF2.8に交換することも忘れずに行う。これでなんとかなるかな。




ケープカナベラルを上空から。デトロイト行きの飛行機より



上空から見たNASA施設。オリオンの組み立てや、ウォークアウトはここで行われる。



VAB周辺。意外に駐車場がでかいと知った。



39Aと39B発射台。滑走路は雲の中で見えず。




翌日に進む


打ち上げ
2011年7月5日 まず都内へ出発
2011年7月6日 三度目のフロリダ
2011年7月7日 RSS開放予定日
2011年7月8日 STS−135・アトランティス打ち上げ日
2011年7月9日 オーランド
2011年7月10日 オーランドからタイタスビルへ
2011年7月11日 休みの日
2011年7月12日 警察博物館
2011年7月13日 ディスカバリー号との再会
2011年7月14日 ビジターコンプレックス
2011年7月15日〜16日 オーランドから日本へ

着陸
2011年7月18日 また東京へ
2011年7月20日 アトランティス帰還予定前日
2011年7月21日 スペースシャトル最後の着陸
2011年7月22日 休養日のはずが観光日になる
2011年7月23日 ケネディ宇宙センター見学ツアー
2011年7月24日〜25日 帰国

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