柴田さんのSTS−135取材 スペースシャトル最後のフライト
2011年7月6日 三度目のフロリダ 起床はまだ空が真っ暗な午前3時。まだ朝とも呼べない時間帯だが、送迎バスが4時過ぎに出るので仕方ない。風呂に入って汗を洗い流し、さっぱりして出かける。なにしろ震災関連の電力不足により、冷房は28度までという指示が出ているので暑くて汗びっしょりだ。どうも鉄筋コンクリートの建物が熱をため込んでいるらしく、じわじわと熱がしみ出してきて遠赤外線で炙られている感じだ。こんなひどい環境はさっさと脱出してしまうに限る。これから行くフロリダはもっと暑いのだが、あの国の施設は軒並み冷房が強力だから過ごしやすいだろう。いや、それどころか逆に寒いかも…。 んで、送迎バスは今回もお客でいっぱい。立ち乗りまで出た2月の渡航時よりはマシだけど、荷物が山のように積み上がって前が見えないのは同じ。巨大なトランクを持ち込む人達がどれだけ海外に滞在するのか知らないけれど、撮影機材だらけで着替えなどが制限されている柴田よりも長そうだなあ。 羽田空港の国際線ターミナルに着いたら、すぐにチェックインを済ませる。ネットでチェックインができない謎も解けて、なんとビザ持ちの人はできないそうだ。アメリカ行きの場合、ネットでのチェックインはESTA(アメリカの電子渡航認証システム)のみに対応したシステムらしい。それならそうとすぐ判るようにホームページに書いてくれ。 そうか、カナダ経由で帰るときにはあっさりネットでのチェックインが通ったのは、カナダのビザを持っていないとか、カナダにはESTAといった制約が無いとか、そういう事なんだろうな。 アメリカ旅行は遠い過去にも経験があったのだが、今の制度が出来てからの渡航経験が無かったので知らなかったわい。 (※ケネディ宇宙センターの取材にはIビザが必要である。今後もそうであるかは、あちらの法律がどう変わるかによる。なおtweetup参加者やビジターコンプレックスのツアー参加だけの場合は、当然だが普通の観光と同様の扱いである) 出国前に済ませる手続きがさくさく進み、時間に余裕ができたので屋上の送迎デッキに行ってみた。ここから羽田の国際線ターミナルを見渡せるが、アメリカの空港どころか国内の主要空港よりも狭い感じがする。ターミナル内を歩くとでかく感じるけど、アメリカの場合はこれより輪をかけてでっかいからねえ。 また、今日は新型機B787ドリームライナーが試験飛行のため羽田にいるはずだが、きょろきょろと見回しても見あたらない。全日空の国内線のエリアにいるのかな。とはいえ見分けるポイントがエンジンの形状ぐらいしか思い出せないので、もしかすると認識できなかった可能性もあるんだけど。 B787は6時半頃に離陸するらしいが、さすがに待てないので撤収。まあそのうちB787は、他の機種が懐かしくなるくらいに見る事になるからいいだろう。 続く出国手続きもガラガラに空いていて楽であった。早朝という事もあるが、就航している航空会社も乗り入れている便数も成田空港より少ないから当然か。 出国ゲートも無事に通過して、今回の搭乗口である108Aに向かう。その途中、売店に入ってジュースを買おうとしたら、なんとドラッグストアだった。空港入り口のコンビニでは薬などを扱っていなかったので、これ幸いとかゆみ止めを購入し、問題をひとつ解消する。こいつをフロリダで探すのは難しかっただろうなあ。…楽しそうではあるが。 そのあと、だいぶ離れた別の売店でウーロン茶のペットボトルを買う。機内サービスが充実している場合はいらないのだが、一応念のため。 ここで一緒にアメリカで行動する大塚実さんと合流。大塚さんは報道登録もできたのだが、tweetupという一般向けイベントでのシャトル見学を選択している。競争率が高い抽選であったが、奇跡的に当たったようだ。NASAのtweetupはいろいろなイベントが用意されていて、報道とはまた違った視点での取材ができるとのこと。 なお、一緒に行動するのは、報道もtweetup参加者も打ち上げを見る場所が全く同じであるため。いわゆるLaunch Complex 39 Press Siteと呼ばれる場所だ。 tweetup参加者だけでもケネディ宇宙センターに車で入れるのだが、駐車場が足りないために報道関係者が優先されるらしいので、報道登録をしている柴田が運転するといろいろと都合が良いという事である。難点はtweetup参加者は打ち上げ見学に限定されていて、着陸などのイベントには参加できないのだが、それはまあ打ち上がってから考えればいいだろう。 デトロイト行きのデルタ航空628便は午前6時50分の出発なのだが、優先搭乗は定刻の50分も前から始まった。どうせエコノミー席の搭乗までは時間がかかるだろうとゆっくりしていたら、すぐにエコノミーも含めた全体の搭乗になった。やっぱり乗客が少ないな。 こうして予想外に早く座れたのだが、このあとの機体の準備が長く、座って待っているうちに定刻の出発時間になってしまう。荷物の搬入が大変なのかなあ。なにしろ目的地で素直に降りる人よりも、またどこかに飛び立つ人の方が多いだろうし。 という事で、機体が動き出したのは6時55分頃。機体中央の席にしたので周囲が判らないのだが、空港内をだいぶ走り回ってD滑走路らしき場所から飛び立ったのは7時20分を過ぎた辺りだろうか。このまま陸地を走ってアメリカに行くのかと思ったぜ。 離陸後は意外にも首都東京の真上を通る方向になった。あー、窓際ならばスカイツリーなどの風景を楽しめたなあ。 液晶ディスプレイには、このまま関東と東北を斜めに突っ切るルートが表示されていたのだが、旋回して東の方向に飛んだ後に銚子沖に出た。まあ、いろいろあるのだろう。 (※帰国時には福島の真上を飛んだので、単に指定されたルートの違いと思われる) ちなみに今回もたまたま隣の席が空いていて助かった。中央の3列シートなのでトイレなどのために席を立って真ん中の人を通す必要が無いのである。荷物を脇に置く事もできるし、毎回こうだといいなあ。 今回の機種はB777−200である。これまでの渡米時に乗ったB747−400 Passengerよりだいぶ進歩していて、座席の背に液晶ディスプレイがあり、好きな映画を楽しむことができた。大スクリーンで1つの映画を全員が見るよりは選択肢が多くてよろしい。また充電用のUSBコネクタもあって便利。惜しいことにエコノミー席にはAC電源が無いけど、それがあったエアカナダのB777とは仕様が違うのかね? (※B747−400 Passenger:2010年10月のシカゴ行きと2011年2月のデトロイトへの行き来に乗った。エアカナダのB777:2010年10月〜11月の帰国時に乗っている) 太平洋に出てすぐに飯が出たのだが、エッグとフィッシュの二択でビーフは無いとのこと。どんなものか知らないけど、魚料理って難易度が高そうだなあ。いやその通路をはさんだ席にアメリカ人らしき人が座っているので、無様な食事の様子を見せるわけにもいかんし。 という事で無難そうな卵料理を選択。中身のないオムレツみたいなもので、ソーセージとポテトのようなもの、そして加熱されて正体が何だかわからなくなったプチトマトが添えてある。味はまともだが、何故かケチャップもソースも無いので味気ない。たまたま添付されていなかったのか、それとも何にでもついてくる塩とコショウで食うのかは判らなかった。加熱したプチトマトがケチャップの代替になるかというと微妙な感じだったね。もっとも味気ないだけで十分食べられるので問題はない。 ところでフロリダと日本の間には当然のことながら時差があり、日本が朝ならば、向こうは夕方である。しかも前日の夕方なのだ。まるでタイムマシンに乗った感じだ。 飛行機で向かった場合、到着は日本を出発した日と同じ日の昼過ぎだが、日本を出て12時間以上も経過しているのに、まだ昼過ぎだというから混乱する。時差と判っていても、ややこしいったらありゃしない。しかも今は夏時間なので計算も面倒だ。いや、いちいち比較していたらボケてしまうので、さっさと腕時計をフロリダのアメリカ東海岸の時間に変更した。こうすると、朝7時に日本を出て、午後にアメリカに着いたような錯覚を起こす。午後に着いたと思えば、そのあと飯を食って寝てしまえばいい(笑)。 これで時差ボケを吸収する試みだが、今回はうまくいくかな。 飛行中は基本的に退屈なものである。国際線はインターネットができないのがいちばんの原因だなあ。いや日本の国内線も駄目だが、アメリカの国内線などでは有料のWi-fiサービスが提供されている。これって国際線の方が需要があると思うけど、やっぱり通信が大変なのかな。 退屈しのぎのメインとなる映画は、これは選択肢が多くていいのだが、惜しいことに殆どがテレビで放映されたものばかりなんだよなあ。知らない映画もあるが、どーも趣味と合わない感じ。 窓の外の景色にも興味があるけど、トイレに行くのが楽な場所を選択した代償でそれも難しい。空いている席があればいけど、基本的にどの列にも人がいるんだよね。 ということで、殆どの時間はICレコーダーを携帯オーディオ代わりにして聞いて過ごすことになる。これは長距離フライトに合わせて選曲しており、繰り返し聞いていても飽きない曲だけで構成されている。しかも最近のものは記憶容量が大きいので、その気になれば1日程度をつぶせる曲数を入れても平気。ICレコーダーとしての空き容量が必要なのでやっていないけど、これもメモリを別にすれば可能だろう。 ただし機器の制約で曲順を決められないのが難点で、そういえば最近は曲順にあれこれ悩むという事が少ないなあ。曲順って演出のために重要なんだけど、機械が勝手に日付順とか名前順にしたり、下手するとランダム再生してくれたりと、楽しみのひとつが奪われている感じがするね。たとえば、ライブのラストとかアンコールから最初に始まったら、そりゃあ興ざめだろう。まあ100曲以上になると、さすがに順番をつけるのが面倒だけど。 それから冷房が効きすぎて寒いので、毛布にくるまってもなかなか寝られなかったのが辛いところ。なにしろ機内は節電も何も関係ないからなあ。 (※冷房:高度一万で機外のマイナス何十度という温度からすれば、これは暖房なんだろうかと思う事がある) フライトの中間点の辺りだろうか、小さなパンにハムがはさんであるものが出た。これって食べ方がよく判らないのだが、マヨネーズを突っ込んで食うスタイルでいいのか? そして着陸が近くなった頃にも食事が出た。しかしこれが「焼きそば」だったのでちょっとびっくり。これは日本発着の路線ならではの食事だろうな。一応、焼きそばとチキンのいずれかという選択だったが、日本人は軒並み焼きそばを選択してしまう様子がいとおかし。 逆に、この焼きそばを選択した外国人は、パスタとも勝手が違う麺に戸惑っている様子である。というかこれ、フォークに絡んでくれなくて、食べにくいから仕方ないけど。 そしてデトロイト空港に着陸。これって着陸してから地上を移動する時間の方が長く感じられるんだよねえ。さらに、このあとの入国審査でも長い時間がかかったのには参った。自分の申請に問題が出た訳ではなく、妙に手間取っている人ばかりが前にいて、ビジターとしては遂に最後になってしまったのだ。これ、もし乗り継ぎに余裕が無かったら焦っていただろうなあ。 観察していると家族連れの場合に厳しくチェックされて手間取る場合があるようだ。不法移民を警戒しているのだろうか。急ぐ場合、そういった列を避けたいところだが、入管職員による振り分けが行われる場合もあり、どの列になるかは運次第になるのが難点である。急ぐ場合は、飛行機の席を出口に近いところにして、ドアが開いたらすぐ向かうなどの対策が必要だ。ただ、そこは大抵は値段の高い席なのが問題だけど…。 続いて税関検査だが、シャトル取材のためだけに来たので余計な荷物が無く簡単に通過できる。そのまた次に日本の空港よりもはるかに厳しいアメリカの搭乗前検査を受けて、晴れて国内線の待合所に入れることになる。とはいえ、国内線は国際線と同じ待合所なんだけど、乗り換えには必ず入国審査を受ける必要があるのだよ。…そういえば、アメリカから出国するとき、スタンプを押したりする窓口が無いみたいだけど、あれはどうなっているのかね? んで、いーかげん広いと知っているデトロイト空港の建物内部だが、今回も遥か地平線の向こうまで歩かなければならない感じ。上をモノレールのような構内交通がゴムタイヤらしき音を発しつつ走っているけど、上の階にある乗り場への上り下りが面倒で、つい下を歩いてしまう。売店や噴水などがあって面白いけど、急ぐ時には悪夢のようだろーなあ。いくら歩いても先が見えてこない感じだし。 途中、レストランなどを覗いていったがうまそうなものが無く、結局はいちばん隅っこの店で、パンにハンバーグのような肉を挟んだ謎気味なものを食べることにした。はっきり言って日本人の味覚とは異なる感覚で作られた代物だ。いやもう、早速油っこいものがきたかーという感じ。 これ、周囲でうまそーに食べている外国人(いや、ここでは俺が外国人なんだろーけど)がいるから、慣れればうまい…のかなあ。 このあとオーランド行きの乗り場まで行ったのだが、いきなり搭乗口が変更になる。えーと、気づいたから良かったけど、何があった? んで、搭乗時間近くになっても優先搭乗すら始まる気配が無い。何がどーしているのか不明なので待つしかないのだが、一体何が起こっているのだろう。 そのあと11分遅れの離陸時間が示されたが、すぐにその時間を過ぎてしまう。結局、乗り込んで飛び立つまでに定刻から1時間近くも遅れてしまった。ああ、これではケネディ宇宙センター(KSC)のオフィス終了時間に間に合わないかもしれんなあ。 乗り込んでから気づいたのだが、このB757がボロなんだ。機内の液晶モニターのひとつが砂嵐状態になっていて、他のモニタも時々ノイズが入るという不安定なもの。しかも離陸前の安全に関するビデオを放送をしたらば、音声が途切れ途切れで聞き取れないトラブルが発生。これはアテンダントの方々が実演して対処したが、そもそも機内設備が壊れていねーかこれ。機材もボロボロで、恐らくB757の中でもかなり古い方なんだろうなあ、こりゃあ。 そしてエンジンの音も、ひょおおおんひょおんひょおおんと不規則で不穏だ。いやまあこいつの正しいエンジン音なんて知らないので、いきなり聞いて変だと言うこともできないはずなんだけど、なんかこう、心の底から不穏に感じるのよねえ。 でもちゃんと飛んでいるのだから大丈夫だろうと思いこむことにしていたのだが、オーランド国際空港に着陸した瞬間、周囲の乗客が一斉に拍手をしたのには驚かされた。えーと、もしかしてやばかったのか? (※飛行途中で機長から長めのアナウンスがあったのだが、英語なので聞いていなかった。トラブルがあったのかもしれないが、着陸時に特別な指示は無かったので、些細なことだと思う) オーランド国際空港に到着後は、いつものようにモノレールで中央の建物に移動し、荷物を受け取る。扱いが荒いアメリカの航空会社だが今回は特にひどくて、中の仕切り板についた4個の留め金のうち、3個が根本から千切られていた。開けて検査したときに、引っ張って壊したのだろう。 また、トランクの底についているプラスチックの脚がひとつ壊れて無くなっている。壊れ物のタグがついているのに、どれだけ手荒い扱いをしたのやら…。 いつもならTSAの検査済みと連絡先が書かれた紙が入っているのだが、今回は無しである。きっと壊して焦ったのだろうな(笑)。 (※荷物が破損していた場合、航空会社に申請すると弁償してもらえるらしいのだが、それよりもケネディ宇宙センターに急ぐ必要があってできなかった) 荷物を受け取ったらレンタカーの窓口に向かう。ええと、レンタカー窓口の表記は、ここの下と書いてあるな。はて、しかしこんな位置だっけ…? 疑問に思ったが、とりあえず申し込んだレンタカー会社の窓口で今回の車の書類を受領する。同行する大塚さんも登録しようとしたが、ドライバーの保険が余計にかかるというので柴田だけが運転することになった。二人のアメリカでの運転経験は、数日間なのかゼロなのかの違いだけなのだが、大塚さんは日本でも殆ど運転をしないというので、今回はこれでいいだろう。 んで、駐車場で車を受領しろって…あれえ、やっぱり記憶と位置が違うなあ。2月から今までの間に模様替えでもやったのかな。 不思議に思ったが、とにかくケネディ宇宙センターに行かなくてはならない。割り当てられたのは日産のALTIMAというモデルで、えーとまた2.5リッターもあるのか。前回のシボレーIMPALAといい、どーして燃費が悪そうなでかい車ばっかりなのかなあ。 いや、これでもこの地では小型車なのかもしれんな。更に小さいリッターカーは、日本で言うなら軽自動車のような扱いなのかもしれないし。 今回は日本車のためかハイテク満載で、車にエンターキーが装備されているのは初めて見たわい。ちなみに日本メーカー製であってもアメリカ仕様らしいと感じるのは、ハンドル位置などの基本的な部分ではなく、カーステレオの音質である。ある程度の調整をすれば、どこの国でも似た音質にできるのだろうけど、標準の設定でいきなり低音がぼんぼん鳴り出すのはアメリカっぽいなあと感じられる。日本ではだいたいニュートラルな音で鳴り出すけど、この辺りは好みの違いなのか、それとも人種によって気持ちよく聞こえる周波数帯に違いがあるのかは判らない。 このあとカーナビの設定に苦労して20分程度をロスし、それでも終わらないので思い切って走り出すことになる。ナビの目的地設定が住所検索のみになっていて、地図から選べないという仕様のため、慣れていないと難しいのだ。アメリカの住所表記には一定の決まりがあって、全米のどこであってもすぐ探し出せるらしいけど慣れが必要である。 例えばNASAのビジターコンプレックスは「Nasa Parkway West, Florida 32953」などという表記になるようだ。フロリダ州のNasa Parkway Westという道にある32953…という読み方らしいが素人なのでよくわからん。もっとも、州と道路の名前が判れば辿り着けるというシステムも凄いな。そして道路という道路にナンバーだけでなく名前もつけている事になるのも、これも凄いな。 もっともこちらとしては、地図から探せる方が何百倍も使いやすいのだが、あいにくこのナビにはそんな機能は無いようだ。名前から検索もできるけど、そこに迂闊にNASAなどと入れよーものなら、アメリカ中の関連施設がたくさん引っかかって訳がわからない事になる。えーと、数百キロ先のNASA施設ってどこなんだ。おまけに、これから行く場所まで100キロも無いのに出てこないし…。 えーい、どーにでもなれと適当な近場に目的地を設定して駐車場を出た。 思い切って走り出して気づいたのだが、やっぱり道が違う! オーランド国際空港は南北にAとBの建物がほぼ対称に建てられているのだが、いつものAではなくてBの建物から出てしまったのだ。ははあ、それならいろいろと辻褄が合うな。荷物を受け取った後、反対側に行くのを忘れていたのが原因だ。 ケネディ宇宙センターに行くならA側から528号に出なくてはならないのだが、反対のB側から出てしまったのでターミナルをぐるりと回る周回路に沿って少し余計に走らなくてはならない。それさえ判っていればなんとか走れるが、いやあ危うく反対方向に向かうところだったぞ。 という事で空港を回り込んで無事に528号に出られた。あとはケネディ宇宙センターに向けて走るだけだ。 ここは途中に料金所があって1.5ドルほど徴収されるのだが、その先に新しい料金所をまたせっせと作っているようだ。空港から西に行く場合も徴収されるし、安い料金とはいえ面倒な所だなあ。 (※ETCに相当する装置もあるが、いちど使うと使用の有無にかかわらず利用料を毎日徴収されるらしいので、現金払いのレーンを選択している) このあと、なんとか無事にケネディ宇宙センターの申請受け付けオフィスに着いたのだが、既に15時4分になっている。ここは15時までの営業と聞いていたのだが、既にしっかり施錠されていた。こういった所は日本人以上に厳格に守るからねえ。 周囲にはこちら同様に間に合わなかったらしい数名のアメリカ人も途方に暮れている。まあ、明日また出直すしかないですなあ…という思いで全員の表情が一致している。おお、言語を超えた理解が(笑)。 この後に申請すべきオフィスはまだ開いているのだが、ここでの許可を貰わないとどうにもならないので、とりあえずホテルに行くことにした。 ちなみに最初のオフィスが通称「顔バッジ」を発行するところで15時まで。取材パスに顔写真がついていることから、そう呼ばれるのだろうと推測している。 次のオフィスが「ミッションバッジ」の発行で16時までとなっている。これにはシャトルのイラストと、何やら英文が書かれているのみ。ちなみに検問では、この2枚をしっかり確認される事になる。オフィスに専用のケースが置いてあるので、それに入れて首から下げておくことが大事で、内ポケットに入れてごそごそしていたら危ないかも(笑)。 (※危ない:笹本祐一著・「宇宙へのパスポート」1巻を参照のこと。というか、アメリカでは常識だろうな) なお、上記時間だが季節や曜日によって異なるかもしれないのと、休日は基本的に休むらしいので注意が必要。なお、報道だけでなくtweetup参加者などもここで手続きをしなければならない。 今回利用するホテルは、フロリダの南端まで続く国道1号沿いのココアという街にある。今年2月に来たとき、道を間違えてこの付近に来ているはずなのだが、慌てていたのでろくに覚えていない。しかし、ここからでもケネディ宇宙センターに行けたな。あの時は慌てて予定していた道に無理矢理戻っていったけど、今にしてみれば無駄な行動だったよねえ。 ちなみに観光地として有名なココアビーチは、ここよりもっと東にある大西洋沿岸の砂州の上にある街で、こちらのココアは陸地側となっている。どちらにしても、あんたら津波が怖くないのかと思うほどに海岸沿いギリギリに家が建ち並んでいる。もっとも内陸に家を建てようにも、ずっと低い平野が続いていて安全な高台なんてろくに無いけど。 (※聞くところによれば、場所によっては地震の経験が殆ど無いためか、耐震性など皆無の建物も多いらしい) とにかく全く土地勘が無いので、カーナビの指示を頼りに慎重に走り、なんとか無事にホテルに辿り着いた。これ、カーナビが無かった時代は大変だったろうなあ。いや、カーナビどころかネットさえ無い時代にここに来てロケット打ち上げを見ている人達も沢山いる訳だが大変だったろうなあ。その時代からの情報の蓄積が、今こうして楽に取材できる事に繋がっているのだから、敬意をこめて感謝をしなければならない。 (※シャトル飛行の中間期以降に来ている笹本祐一さんですら、コンビニで道を聞きつつ辿り着いた事があるらしい。この恵まれた今の環境は、ごく最近になってからなのだ) ここはアメリカではよくある形式のホテルで、部屋の外がすぐ外になっているもの。駐車場が目の前なので、荷物を持って廊下を歩かなくていいというメリットがある。そして予約時に確認していた冷蔵庫のオプションがありがたい。 また、たまたま部屋の目の前がプールだった。滞在客が泳いでいるのだが、そーか海水パンツがあれば泳げる季節だったか。観光という概念がすっかり抜け落ちていた柴田にとって盲点だったねえ。いや買えばいいのかもしれんが、アメリカのサイズでは子供用でも大きいよーな気がして。 (※このあとTシャツを買ったのだが、Sサイズで十分だったほど) ここの難点としては国道と鉄道の線路が近く、騒音がそれなりにあること。そして歩いていける範囲にファーストフード店が見あたらないことかな。背後にコンビニらしき店があるけど、歩いていくには微妙な位置にある。また、ホテルにレストランがあるけど、明日の朝飯はそこで食っている余裕すら無いので、今のうちにパンなどを調達しておきたい。当面は観光なんて二の次だし、明日は報道パスの申請にRSS解放の取材申し込みと、やることは多いぞお。 という事で、また車を出して近所にあるウォルマートに向かう。食料の調達はもちろんだが、柴田は電源のテーブルタップが欲しい。それもアメリカ標準のアース付き3端子のものだ。日本標準の2端子タイプと互換性はあるのだが、アースの端子がついているプラグをそのままではさし込めない。柴田だけが使うなら問題ないのだが、ニュースセンターでは多くの記者に貸すことになるので、アメリカ式のものが使えないと気まずい思いをする羽目になる。 (※ニュースセンター:NASAや各報道関係者が入る建物。プレスルームなどと呼び方はいろいろあるが、建物に書かれた名前は「NASA NEWS CENTER」である) 日本国内でも探したのだが、プラグとコンセントの両方が3端子というものが極端に少ない。あってもオフィス向けの重たいものや、強力な磁石がついているものばかりだ。荷物は軽い方がいいし、磁石はパソコンのハードディスクなどに悪影響を与えかねないので避けたい。こうなると全く売っていないのだ。いや、秋葉原中を探し回ればあるいはあったかもしれないが、そんな時間も無かったからねえ。まあそんな理由で、アメリカ国内で探そうと思っていたのだ。 さてウォルマートだが、前回はタイタスビルの店舗だけを使っていて、ココアの店舗は初めてである。どーせ全米で殆ど同じ構造だろうと思ったら、商品の配置が全く違う。具体的にはタイタスビルのものとは、日用品と食料品を売る場所が反対なのだ。うーむ、そりゃまあ店舗ごとに異なるのは当たり前なんだろーけど、ちょっと調子が狂うな。 しかし物資が豊富な事は変わらず、その点では心強い。 まず懸案のテーブルタップだが、もちろん多種多様なものが売られていた。その中から軽くて安いものを選択する。下手をすると記者室に忘れたり、荷物が重くなれば誰かにあげたり、わざと置いたまま帰国したりする事もあるだろうし。 食料に関しては、いつもと同じパンとターキー&ベーコンのハンバーガーのようなものを選択。飲み物に関しては冷蔵庫があるので牛乳を考えたが、今回のホテルは2日しか滞在できずに引っ越さなければならないので、とりあえずオレンジジュースにした。1.75リッターもあるけど、なんとか飲みきれるかな。 それから前回の滞在では見つけられなかったコーヒー豆の徳用サイズを発見。…日本ならあり得ない巨大さで、どうやら前回はコーヒー豆と認識できていなかったようだ。容器もブルーのポリタンクのようなもので、コーヒー豆が入っているとは思えない。うーむ、これを日本へお土産として買っていったら、どんな顔をされるだろうか。 ところで今回、特に買いたいと思ったものはエンジン式の芝刈り機だ。アメリカでは庭に青々とした芝生あることが好まれるようで、そういった用品が数多くあり、そして安いのである。柴田の家に芝生なんてものは無いけど、エンジン式の芝刈り機が100ドルちょっとで買えるので興味がある。大量生産って、エンジンですらここまで安くするのかあ。これ、エンジンだけ外しても何かに使えそうだよねえ。 しかし、どう考えても持って帰る事は不可能だし、船便で送り出す方法もよく判らないのでやめ。つか、船便で送ったら費用がかかりすぎて日本で買うより高くなるだろう。 という事でホテルに戻り、落ち着いたので寝る…と思ったらば、大塚さんがこれからドラゴンカプセルを見に行こうとのこと。大塚さんは報道ビザ(Iビザ)での入国ではなく、NASAが企画したシャトル打ち上げ見学企画(tweetup)に当選しての、いわゆる観光扱いでの参加なので、いろいろとこちらの予定と異なるのだ。えーと、こちらはtweetup参加者ではないし、取材許可もまだ発行されていないので入れるのか不安だったが、まあなんとかなるだろーと楽観することにして車を出した。 ドラゴンカプセルの展示場所はAir Force Space and Missile Museumという、ミサイル博物館の庭先とのこと。えーとカーナビが住所検索タイプなんだが、そこって明確な住所が表示されていない建物なんだよねえ。どーしましょ。 (※展示館のHPでも、住所は無いから地図を見てここに来いと書いてあった) という事で、地図担当の大塚さんの指示で道を走り、ディズニーの大型客船を右手に見つつ、軍のゲートの手前まで来た。ここより先は許可証が無いと入れないけど、さてミュージアムはどこだ? 判らないので、たまたま道端に立っていた人に大塚さんが聞きに行く。それによると、えーと、この先の広場がそうなのか。あ、すぐ近くまで来ていたけど、目の前の建物が邪魔して、目印となっているナバホミサイルが見えなかった訳か。 ナバホ(Navaho)ミサイルとは、極初期の大陸間巡航ミサイルのことで、ぱっと見た感じはコクピットの無い戦闘機みたいなもの。機体先端にカナード翼があるためイカを連想しそうにもなるという、どうもSFっぽい外観だ。ちなみに大陸間弾道ミサイルの開発が先行したため、実用化されずに終わっている。 模型なのか実物なのか判らないが、それがどーんと入り口に置いてあるので分かり易い。 この先に駐車場があり、車を置いて敷地内に入ってみる。 どこだろうと思ったが「← DRAGON CAPSULE」なんて急造の看板があっので、間違いなくこっちだな。受け付けとかがあったらどーしよーと思っていたが、結局何も無しで展示区画に入れた。 (※実は一般公開の最中であり、普通に入れたのだ。このときの柴田はtweetup参加者向けの公開と勘違いしていて、それで不安だったのだが、取り越し苦労だった) ドラゴンカプセルは中庭に張られたテントの中に展示されていた。モックアップかと思ったらば、なんと焼けこげた跡がある。そうか、これは2010年12月8日に初飛行した実物か。おお、なんという贅沢な展示だ。 各部に設置されたスラスタや、パラシュートを収納していた所など、作動した跡が生々しい実機である。無人機なので窓から見える機体内部はスカスカのようだけれども、それでもなかなかお目にかかれないわなあ。 ただしスラスタのうち、中まで見せているのは機体の一部だけで、他は蓋がしてある。特に再突入で焼けた面のものは全て蓋がしてあり、何か秘密がありそうでかえって興味を引く。 それから再突入で発生する熱から機体を保護する方法も興味深い。最初は溶けて熱を逃がすアブレータ材かと思っていたのだが、よく見るとシャトルと似た断熱材のようで、底面は少し溶けているものの原形をしっかり保っている。再利用を考慮しているのかは聞き取れなかったが、耐熱材を貼り替えれば可能かなあ…くらいには思えてくる。もっともパラシュートを開く機構が豪快に作動して大穴が開いているので、外側を新たに作って中身を入れ替えた方が早いし安いかもしれないな。 (※後にカプセルだけでなく、全段のロケットも含めた完全再利用を示すビデオが発表されている。どーすんだおい、といった感じだ) またtweetup参加者向けにGarret Reisman元宇宙飛行士の解説があった。もちろん英語での説明なので、専門用語が入っていなくてもお手上げ状態(笑)。内容は後に大塚さんの記事を読んで参考にする事にして、こちらは専ら写真を撮る事にした。しかし結構笑いもあったし、参加者からの熱心な質問もあったし、面白そうだったなあ。 なお、ここはかなり蒸し暑い。車から降りた直後は、カメラのレンズが曇ってどうにもならなかった程である。フロリダ特有の気候なんだろーけど、夕方でこれとはたまらんなあ。 また、この辺りは蚊が大量にいて刺されるのが悩みの種なのだが、ここでは巨大な蚊取り機で撃退しているらしく、かなり平和に見る事ができた。ちなみにひと抱えもあるプロパンガスボンベ付きの虫取り機で、このプロパンガスで二酸化炭素を発生させ、それで蚊をおびき寄せて捕獲する装置らしい。日本でも販売されているので、野外の施設やイベントなどで見る事ができるかもしれない。 しかし、この広範囲の会場で殺虫剤を使わずに捕獲するとは面白い発想だねえ。日本ならば広範囲に有効な殺虫剤を噴霧してしまうところだ。つか、この装置を見たとき、ぜったいに何か毒々しいものを噴射して蚊を殲滅するものだと思っていたのだが、捕獲という意外に大人しい方法だったのにかえって驚いた。 なお、ポータブルな電子蚊取り機は日本同様のものが売られているようで、この後のイベントなどで使っている人を見かけている。 このあと、Air Force Space and Missile Museum(※ミサイル博物館)の入り口を覗いてみた。もう夕方の7時になっているので閉館しているだろうと思ったら、中のおじさんがおいでおいでをしていた。どうやら開館時間を延長してくれるらしい。もちろん喜んで中に入る。 入ってすぐは受け付けの部屋で、来場者は記帳もできる。その奥に展示用の大きな部屋があり、過去のロケットやミサイルに使われていたエンジンの実機や模型があって、その解説を読むことができる。弾頭部なんてダミーとはいえ再突入した実物…なのか? しかも旧ドイツ軍が開発したV2ミサイルのパーツがある。一部とはいえ、近代ロケットの歴史で重要な意味をもつV2の実物を見たのは初めてである。表示では「V2 JET VANE MOTOR」とあったが、どういった取り付け方をされていたのかなどは不明。また、破片のようなものも展示されていたが、ロケットのどの部分かはよくわからない。 これは推測だが、このV2の部品は旧ドイツ軍が連合国に向けて打ちこんだものではなく、恐らくアメリカが実験した機体だとは思う。あまり詳しい資料が無いのは、さすがのアメリカでも資料がもう残っていないのかな。いや、もしかすると歴史の常識として知れ渡っていて、いちいち説明しなくてもいいのか…な?。 (※添えられている説明板には、「Mirror fragments from temporary blockhouse used for bumper launches」とある) ここにはショップも併設されている。規模は小さいのだが、ビジターコンプレックスと微妙に異なる商品ラインナップが楽しい。特に軍関係のグッズは、近場では他に売っている場所があまり無さそうなので貴重である。まあケープカナベラル周辺は多くの軍施設で占められているし、どこかにお土産を売るところもあるかもしれないけど。 (※ビジターコンプレックスのケープカナベラル・ツアーで入れるのだが、参加したことが無いので不明) 本来の閉館時間を過ぎているのだろうけど、レジ担当のおばちゃんが笑顔で対応していた。これは何か買うべきだろうな。という事でケープカナベラルのロゴ入りポロシャツと、前回買いそびれていたSTS−134のピンバッジを購入。他にシャトルや星条旗がプリントされた派手なネクタイも面白そうだったが、とても日本で使うシーンを思いつかないのでやめた(笑)。いやまあロケットまつりでプレゼントの目玉になるかと思ったが、価格がちょいと高かったのよ。それに下手すると日本でも似た様な物が売っているかもしれないし。 しかしポロシャツのサイズには悩んだ。柴田はMだと思うのだが、こちらのサイズは二回りくらいでかいものがあるので油断できない。とりあえずMを選択したが、大きすぎたらどうしようかな。いやまあ小さいよりはマシなんだけどさ。 (※こちらではLLサイズというか、日本人なら一家全員が入るのではないかという巨大サイズの衣類が平気で売られている。しかも残っているサイズがそればっかりという事もよくある) ここでの見学を終えたらホテルに戻って、ようやく休む事ができた。長い一日…というか、時差の関係で実際にやたらと長い7月6日であった。出発した日本では、もう翌日の朝になっている頃だろう。これは実質2日間も活動していたことになるか。そりゃあ疲れる訳である。 (※この代償として、帰国時に1日分が殆ど何もしないまま吹っ飛ぶ事になる) オーランド国際空港にあった広告看板。シャトル終焉、ドラゴン開始といったところか? ミサイル博物館でドラゴンの説明会があるというので、渡米後疲れ果てていたけど出撃。ナバホミサイルが目印。 ドラゴンカプセルの公開会場は、ミサイル博物館を含む建物の中庭。テントの中は殺虫機で安心。 ドラゴンカプセル。これは無人飛行のテストを行った実機。 パラシュートが放出された部分。焦げているのは大気圏突入の証。 殆どのノズルは埋められていた。外装や突入面はアブレーション材というより耐熱タイルに近い。 ノズルの一部は見えていた。中の棒が保護用か何かの装置なのかは不明。 ドラゴンの窓。乗っていたのはチーズらしいが。 元宇宙飛行士という肩書きを持つ、開発責任者Garret Reisman氏の説明。Tweetupのイベントのひとつ。 質問も多く、活発な説明会だった。…聞き取れんが(笑) 夕方7時過ぎだが、ミサイル博物館も特別に開館時間を延長してくれた。 初めて見た、V2の部品。 その他展示品。これはATLAS SUSTAINER ENGINE(LR 105-NA-3) ミサイル弾頭。本物…ではない。たぶん。 パネル展示が多いが実物もあるので侮れない感じ。入館無料。ただし場所が判りにくい。 展示を見たあとは、ショップで買い物もできる。模型もあるが日本のレベルには達していない。しかし高価なので困る。 翌日に進む 打ち上げ 2011年7月5日 まず都内へ出発 2011年7月6日 三度目のフロリダ 2011年7月7日 RSS開放予定日 2011年7月8日 STS−135・アトランティス打ち上げ日 2011年7月9日 オーランド 2011年7月10日 オーランドからタイタスビルへ 2011年7月11日 休みの日 2011年7月12日 警察博物館 2011年7月13日 ディスカバリー号との再会 2011年7月14日 ビジターコンプレックス 2011年7月15日〜16日 オーランドから日本へ 着陸 2011年7月18日 また東京へ 2011年7月20日 アトランティス帰還予定前日 2011年7月21日 スペースシャトル最後の着陸 2011年7月22日 休養日のはずが観光日になる 2011年7月23日 ケネディ宇宙センター見学ツアー 2011年7月24日〜25日 帰国 メニューへ戻る
|
Copyright(C)Shibata 2012. Garland Junction 2012.