柴田さんのSTS−135取材 スペースシャトル最後のフライト

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2011年7月11日 休みの日

 本日は大塚さんの原稿の締め切りがあり、一日中ホテルに滞在となる。要するに「缶詰」をすることになる。柴田はなんだか疲れてしまったのか、寝てばかりで書くものが進まないとゆー体たらく。まあ、アメリカまで来ておきながら食っちゃ寝をしていると考えると、かえって贅沢なのかもしれない。
 部屋に備え付けの机は一つしか無いので、これは大塚さんの仕事場に指定され、柴田はアイロン台を出して、そこにノートパソコンを広げた。立ってアイロンがけをするための台で、これがなかなか使いやすい。しかも熱がすぐ下に抜ける構造なので、ノートパソコンが熱くなりにくくて丁度いい。

 とはいえ一日中ネットばかり見て何もしないのも問題なので、ホテルのコインランドリーで洗濯をすることにした。以前は風呂場で洗ってクーラーで乾かしたものだが、今回は洗う量が多いのでそうもいかない。
 このホテルの洗濯機は、25セント硬貨を7枚も突っ込んでようやく動き出すタイプだ。しかもこれ、硬貨をスリットに7枚並べてから、がちゃっと押し込むので、まるで弾倉に弾をこめている気分になる。
 これが25セント硬貨をいきなり7枚も使ってしまうのが困ったところで、続く乾燥機でも同様に7枚必要とするので大変だ。手持ちの25セント硬貨ではとても足りないので、フロントで大塚さんがまとめて10ドルを両替し、その半分を柴田がお札と交換することになる。しかし、フロントにしっかり準備されているところを見ると、それなりに需要はあるようだな。
 このあとまた10ドル札を25セント硬貨に両替をしたのだが、フロントの人に「それだけあればバンク・オブ・アメリカになれるぜ!」と言われた(笑)。
(※意訳だけどだいたい合ってる)

 ちなみに25セント硬貨は、アメリカに滞在する上で結構重要である。大抵の自販機は1ドル札と、この25セント硬貨に対応しているため、そういったものがある所ではよく使うことになる。ビジターコンプレックスのシャトル体験施設に設置してあるコインロッカーは25セント硬貨が無いと使えないし、高速道路の支払いにも便利だし、入国したら真っ先に手に入れたい硬貨だ。
 ただし帰国時に硬貨は円に両替できないため、できるだけ使い切ってくるのが良い。しかしなかなかそうはいかず、柴田もこれら硬貨が貯金箱にいっぱい残っている。

 ただし、これがコレクションになることもある。25セント硬貨の中には、各州の独自のデザインを施したものがあり、特にフロリダ州のものはスペースシャトルが描かれていて宇宙好きにとっては嬉しいデザインなのだ。そのためなのか、あるいは発行枚数自体が少ないのか判らないが、なかなかお目にかかれない。今回もようやく使い古したものが1枚見つけただけである。プレミア価格はついていないそうだが、この調子だと綺麗なものはどうなっているか判らないな。
 他にも航空宇宙に関わっていそうな州の硬貨には、ライト兄弟の飛行機や宇宙飛行士が描かれているものもある。50州全部を集めるとちょっと重いけど、安くていいお土産になるかもしれない。

 さて衣類を洗濯機に放り込むのだが、こいつって洗濯槽の真ん中に棒状のものが突き出た攪拌式というやつだな。この国での歴史はよくわからんけど、レトロ風に感じられるねえ。はるかな昔に、我が家にもこれと同じ洗濯槽のやつがあったので余計に懐かしいのだ。あれは小学校に入るか入らないかという時代だったよなあ。
 しかしこれは外側も蓋も金属製で、最近のプラスチックばかりで軟弱な作りのものよりも桁違いに丈夫にできているようだ。まるで昭和に戻ったような…って、アメリカで昭和っていうのも妙だな(笑)。
 洗剤は自前のものを使う必要があるけど、それ以外は自動である。赤いランプが点灯する以外は何の表示も無いので、全行程で何分かかるのかが判らない。とりあえずランプが消えるまでは部屋で大人しく書き物でもしていようかね。
 40分で見に行ったがランプは消えておらず、1時間後に出直したら終わっていた。続いて乾燥機に放り込むが、こちらは残時間が表示される新しいタイプで、それによると1.75ドルで45分とな。という訳で、また部屋に引っ込んで待つ事にする。

 部屋に戻る途中、通路にバッタを発見。アメリカのホテルは、建物内に廊下が無くて外に出ているタイプが多く、ここもそういった構造なので遠慮無く虫やトカゲが迷い込んでくる。特に1階の部屋は、そういった訪問者がよくあるので注意が必要だ。これ、雨が降ったら水の侵入が怖いと感じるくらいに段差が無いのよね。
 んで、バッタなのだが、これがまたでっかい。羽根が短いので成虫ではないのかもしれないが、それでも手のひらに乗せたらはみ出そうな勢い。あまりに大きく、怖くて乗せられないけどさ(笑)。何でもでかいのがアメリカの特徴なのか知らないが、何を食ったらここまででかくなるんだ。
 これを見て思ったのは、こんなものが飛び交っている中、ノーヘルで走り回っている二輪車って怖くないのかということ。ここフロリダはヘルメット着用が義務化されていないようで、殆どの二輪車がヘルメット無しで走り回っている。原付のような小さいものではなく、ハーレーやドカティのような大型二輪でもそうなのだ。しっかり着用しているのは、他州からツーリングに来ている人達だけではないかと思われるほど着用率が低い。
 つまりサングラス程度でほぼ無防備な顔面に、あの巨大バッタが衝突する危険があるということだ。柴田もたまに二輪車に乗っているけど、小さい虫ですらヘルメットに当たると凄い衝撃だ。それがカブトムシと同等以上の質量と固さだったらどうなるのかねえ。いや、もしかするとこちらの人間の方がそれ以上に丈夫なのかもしれんが…。

 さて、部屋に戻るついでに、腹が減ったので自販機で何か…と思ったが、たまたまなのかろくな物が残っていない。これはパンやチョコなどを販売するタイプの自販機で、中は冷却されていない。つまり全ての商品が気温と同じぬるさだ。特に常温で販売されている栄養ドリンクはやばそうだなあ。まあ消費期限などは守っているだろうけど、謎の生暖かい栄養ドリンクって、なんだか飲みたくない。
 それでも何かアメリカらしい食べ物を試そうという事で、これまで見て見ぬふりをしていたチョコレート味のカップケーキを買ってみた。この日本の真夏なんぞ通り越した暑さの中、常温の自販機でも全く溶けた様子が無いチョコレートというのも不思議だが、さてどんな味だろうか…。

 ぎゃーっ、甘いーっ(笑)

 味覚のうちの「甘さ」だけが反応するような徹底した甘さである。これはもう、甘いオブ甘いやー。いやもう自分でも何を言っているのか判らない程の甘さだ。あまりに凄いので2個入っていたうちのもう1個は冷凍庫で凍らせてみようとたくらむ。いや凍ったからって砂糖の量が減る訳でもないのだが、感じる甘さを低減できるのではないかと考えたのだ。
 つか、何故常温で売っているのか不思議なのだが、その謎を解明する気力は無い(笑)。

 夕方にはまた雷が鳴り出し、じきに凄まじいスコールが降り始めた。電源のトラブルが怖いので、ノートパソコンやネットワーク機器は全てバッテリ駆動モードに切り替える。1回程度、電灯が一瞬瞬いた程度だったが、念のための措置であった。
 この雨のため、外出も億劫なのでホテルと棟続きのレストランで夕食にする。肉料理にサラダがついたものを頼んだが、割と良い味付けであった。大塚さんは魚料理だったが、付属したスープの量が多いので残したらば、ウエイトレスのねーちゃんに残しちゃ駄目と怒られていた。俺たちは子供か(笑)

 雨は暗くなる前には上がり、何事もなかったように晴れ上がる。こんな坂道すら無いような平地に、毎日これだけ降っていたら水たまりがあちこちに出来ていそうな気がするが、そういったものを見かけないのが不思議。まあ海も近いし、人も近寄らない湿地帯もまた多いので、そういった所に流れ出しているのだろうと想像する。
 夜になったらとっておきの、あのカップケーキを食べて…また甘さに悶絶する。そろそろ味覚がおかしくなっていそうだな。




毎日のように物凄い夕立が降る。



という事で、ホテル内のレストランで夕食。これは意外においしかった。



サラダ。ドレッシングが選べるのだが、和風は無かった。



雨上がり。基本的にざーっと降って、からっと晴れる。




翌日に進む


打ち上げ
2011年7月5日 まず都内へ出発
2011年7月6日 三度目のフロリダ
2011年7月7日 RSS開放予定日
2011年7月8日 STS−135・アトランティス打ち上げ日
2011年7月9日 オーランド
2011年7月10日 オーランドからタイタスビルへ
2011年7月11日 休みの日
2011年7月12日 警察博物館
2011年7月13日 ディスカバリー号との再会
2011年7月14日 ビジターコンプレックス
2011年7月15日〜16日 オーランドから日本へ

着陸
2011年7月18日 また東京へ
2011年7月20日 アトランティス帰還予定前日
2011年7月21日 スペースシャトル最後の着陸
2011年7月22日 休養日のはずが観光日になる
2011年7月23日 ケネディ宇宙センター見学ツアー
2011年7月24日〜25日 帰国

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