柴田さんの筑波宇宙センターとロケットまつり11、取材日記  



2006年4月22日 筑波宇宙センターとロケットまつり11

 さあて忙しい日の始まりである。今日のメインは新宿ロフトプラスワンで開催される「ロケットまつり11」なのだが、ちょうどこの日は筑波宇宙センターの施設公開日でもある。筑波なら近いのでいつもは車で行くのだが、今日は新宿にも行くのでちとややこしい。なにしろ新宿近辺の土地勘が皆無なので下手に入り込むと迷うのは必定。
 おまけに明日には調布と三鷹の施設公開がある。もし新宿が無ければ筑波に一泊して翌朝から調布に移動する昨年と同じ手が使えたのだが、今回は自走は無しということになった。
 そこで目をつけたのが、開業したての「つくばエクスプレス」である。なにしろ秋葉原から最短で45分程度で着くという快速ぶり。つくば駅で連絡バスも出ているのでこれ幸いと利用することにした。ただ山形からの新幹線の到着時間が9時台と遅く、筑波着が10時を過ぎてしまう。ええい朝7時台に東京に着く新幹線があればいろいろ便利なんだがなあ。

 つー訳でいろいあって上野には定刻より5分程度遅れて到着。地下ホームから山手線のホームまでダッシュするも力尽きてしまう。うーむ、体力が落ちてるなあ。そして秋葉原駅に到着したその時、つくば行きの快速は発車してしまった。足りなかった時間は約5分…。(※秋葉原はホームまで遠すぎるぞ…)
 仕方なく次の区間快速でつくばを目指す。
 基本的に快適な路線だが、終点まで乗るにはちょっと退屈。高架の路線で見える風景が単調なのだ。

 つくばでJAXAのシャトルバスの乗って会場へ向かい、11時頃に現地入りを果たした。驚いたことに受け付け番号が2500番台。先に来場していたでぃばさんが三桁だったことを考えると恐ろしい勢いである。おかしーなあ、茂木でインディやってるからそっちに引っ張られると思ったんだがなあ。
 さて最初の見学は…こらそこ、いきなり食堂に入るんじゃない!(笑)。
 まぁ、朝飯抜きでやってきたのでとにかく飯を食いたかったのだ。開いたばかりの食堂に飛び込んでスペースランチを注文。これは宇宙食でもシャトルでのものを再現したとあるが、材料の関係で殆ど普通のランチにしか見えないのが悲しい。…いや、以前より肉が薄いぞ、米がいまいちだぞ…って、それこそが宇宙食の再現なのか?。
 また未だに宇宙ラーメンの再現はされていない。少し薄味にして容器もインスタントの普通のものにすれば大丈夫だと思うがなあ。まあそうなるとただのインスタントラーメンでしかないかもしれんが。
 ここででぃばさんも合流した。なんともう殆ど全部見て回ってきたそうな。むー、つまり今回の公開は、それぐらいしか無いとゆーことなんだろうか。

 食ったから寝る…じゃなくて施設見学開始。
 最初に入ったのは旋回腕設備。筑波は何度か来ているがここは初めてである。
 入った部屋はモニタールームのようで、ガラス越しに円柱型の旋回腕の部屋が見える。そしてスマートな腕をもつ遠心加速器に「イヌ」「ライオン」「ゾウ」のぬいぐるみがぶら下がっていて、旋回のGで振り落とされる順番を当てさせる…なんてことをやっていた。しかし動物の種類とぬいぐるみの重さが反対で、イヌから先に落っこちていくのは、なんか騙されているよーな気がする。
 (※ぬいぐるみの重量:イヌ>ライオン>ゾウの順。ゾウより重いイヌって…)
 ちなみにこれは人間用ではなく、機器の耐Gを調べるもの。まあ最大の50Gでは人間が持たないが、3G程度までだったら無理矢理でも乗ってみたいかも。

 次は打ち上げ時の音響を再現するイベント的展示。これはただ大きい音を出しただけでは再現できないのだが、そこは音の発生原理が全然違うために仕方ないことでもある。また音量も、ここのような玄関ホールでは、いくらボリュームを上げてもあんまり反響しないのできついかな。
 もう一つの違和感は…打ち上げと同時に音が響き渡る!。H2Aの再生前に「3キロ地点で録音しました」との説明があったので、そこでタイムラグ無しはあり得ん。
 (※竹崎展望台と思われるが音源が1号機なので見ておらず、確証は無い)
 音の時間合わせは、どうせ遅れた分だから同じだろうと思うかもしれないが、周囲の山や構造物の反射が無い射点の音はまた違うのではないかな?。それとも射点にもマイクがあるなかなあ。この辺りの状況は現地で聞くのがいいようだ

 さて次。衛星組立棟は…展示なしの非公開。この時期にそうしなければならないのはIGSしか無いだろうと思うのだが、予算だけでなく施設公開にまで影響してくるかい、この衛星は。RF4などの偵察機などは航空ショーで普通に展示しているが、衛星はなんだか箱入りのご様子である。
 この後宇宙実験棟の仮設の売店に行って目新しいものが無いか探したが無し。しかし、でぃばさんが福袋に魅入られて買ってしまう。自分もチェックしたが、袋を持ち上げた感触が軽かったことから、やめたほうがいいなあと感じていた。果たして中身は…。
 …………………
 感じた通りだったことを記すにとどめたい(笑)。
 (※奥に山積みになっていたので、そっちにもっといいものがあった可能性もある)

 隣の宇宙ステーション試験棟ではさかんに打ち上げをPRしていた。とはいえシャトルもISSも先行きが不透明で、きぼうはもう日本の有人技術の習作として展示した方がいいかもしれん状態だからなあ、素直に喜べないよなあ。一気に解決できる何かがあれば逆転の可能性もあるが、その前に予算が増えないとどーにもならなくなる。
 せめてコロンビアの事故前に上がっていれば多少は違ったかもしれんが、現状ではもういつ撤収するかになっている気がするね。

 次に入った宇宙飛行士養成棟は見学が予約式である。13時半が最も早い空きだったのでそこを予約して一旦外に出る。
 続いて入った衛星の展示室には、筑波には無いと思っていたALOSがあったので驚く。いや以前からあったのを失念していただけだが。
 ただ種子島に置かれたものとはちょいと仕様が違う。種子島には正規のパーツらしきものもくっついていたが、ここのものは外観だけのように感じた。まあ同じものをわざわざ展示用に作るわけがないが。(※種子島のものは熱構造モデル。ここのはなんだっけ?)
 あとGOSATが追加されていたのが目新しい。ただこれが入ったせいで、あと衛星を入れる余裕は無くなってしまったように感じる。…奥の「きぼう」の模型を出せばまだ大丈夫かな。

 追跡管制棟では時間が無いとゆーのにクイズに挑戦。まあ壁のパネルにヒントがあるから簡単…って無いのもあるぞ。クイズに対してそのヒントがあるパネルに番号がふられているのだが欠番がいくつかある。どーしたもんかと思っていたら、ヒントの紙に答えが直接書かれていて笑った。
 ここで全問正解の小銭入れを貰って退散。

 続いて総合開発推進棟で月探査機セレーネのクイズに挑戦。以前より簡単になっていたのであっという間に答えて、時間も無いので宇宙飛行士養成棟に戻る。いやもうパネル展示がメインとなると時間が無いのでぶっ飛ばしで見るしかないんだよね。
 (※簡単:数年前、微妙な問いや引っ掛け問題を出したら不評だったらしい)
 しかし訓練施設のツアーも減圧室と居住棟だけだったのであっさりしたもの。使用目的はともかく、内部は普通の小部屋なんだよなあ。前回は宇宙のお約束とも言える「回転する椅子」が見られたのだが、今回はそっちは見られないことになっていて残念。
 さて減圧室は高空での環境を再現するもので、飛行機で圧力が抜けたような状況を再現できるもの。居ながらにしてエベレストの山頂気分にもできる(笑)。
 もっとも見た目は筒の中の部屋であり、印象としては薄くなりがちである。
 実際やってみせるのが展示では一番有効であり、ほんの少し気圧を下げてみせる体験なんかもやってみてはいいのではないかなあ。まあ体調の確認と、本人の同意が必要になるとは思うが。
 また居住棟はISSの一部を再現したもの。こうしてたまに訪れる分には何とも無いが、ここに2人から3人で半年暮らせと言われると大変なのかもしれん。ここにはカプセルホテルと同じ形式のカプセルルームも置かれているのだが、今夜似たような場所に泊まることを考えるとなんとも変な気分。カプセルホテルは実は宇宙飛行士の訓練になるのかもしれないぞ(笑)。
 また「ここは電波も遮断しますので、皆さんの携帯も繋がりにくくなっていると思います」と説明があったとたん柴田の携帯にメールが届いて、しかもアンテナが三本立っていた…(笑)。
 (※出入り口が開放されていたので、そこから電波が入った様子)

 最後は常設の売店などがある施設へ。ここにはロケット関係の写真展示があり、今年打ち上げられたS−310−36、H2Aの8,9号機、MV−8のものが並んでいた。最近興味を覚えたロケットの空撮写真もあるが、ちょっと遠いなあ。もう少し近寄って撮る方法が無いか検討してもいいのではないだろうか。
 売店で目新しいものを漁っていると、X−33の模型があった。ただし3万円台の価格では手を出せない。お、サーマルブランケットがある。断熱作用が強力な膜で、災害時に敷いて寝ると体温が奪われないというもの。衛星では太陽熱からの保護と、影に入った時の低温から守るために多用されている。最近は「なんとかショッピング」とかいう番組で数千円から万に近い価格で売られているが、あれと基本的にほぼ同じで、しかもここのものは千円。金色のタイプで衛星模型の製作時に使えそうなので1個購入する。
 (※銀色のものだったら100円ショップにもある。効能の差は知らないが…)

 そんな訳でタイムアウトになり、でぃばさんのラパンに送られてつくば駅へ。快速で秋葉原に舞い戻る。持ってはいたが山形の田舎町では使い道の無かったJRのSuicaを使って新宿まで移動。いやあこれ便利だけど残高が心配だわ。これといい高速道路のETCといい、どうも目に見えない支払いが増えていくなあ。現物と現金を確認できない買い物はあんまり好きではないのだが…。
 さてホテルでメールのチェックをしていて17時前になる。ちょい遅れたかなと思ってロフトに急ぐと、まだベストテン圏内だったので助かる。もっともその後にはずんずんと増えていき、開場30分前にはもう洒落にならない程の人数が並んだのであった。そのため開場が多少早まって18時15分頃には中に入ることができた。後ろに並んでいたtasさんとSさんも合流していつもの場所に座る。
 ここでtasさんらと種子島の射点の表示について話題となる。以前は「H2A F8」などと表示されていたのだが、この間工事をした後に何も表示が無くなってしまった。F10という二桁表示のための布石なのか、それともIGS関係のための情報の制限なのか、はたまた電飾で夜になるとネオンサインになるのかは不明(笑)。
 (※IGSを第2射点で上げる…なんて裏技もあり得るかもしれない。もっともかえって注目を浴びてしまうが)

 開場が早かったのだが、物凄い人数のため飲み物の注文もままならない。なにせ歩き回るのか困難な程の大入り満員。そのためか開演も少し早めであった。
 また初めて来た人と聞かれて手を挙げた人が増えているのは嬉しいことである。以前には初めての人がほんの数人で、あとは常連さんばかりなんてこともあったからなあ。
 最初の話題は4月1日にあったペンシル水平発射の記念碑の模様の写真。一見和やかなイベントも、このメンバーにかかると不穏な動きが次々と明るみに…(笑)。
 (※不穏:どの組織も縄張りのようなものがあるものでして…。例えるなら「元祖」と「本家」の争いみたいなものだとか…)
 またこのイベントはタイムカプセルを埋めたのだが、その様子がまるで納…こ…つ…げふんげふん(笑)。
 続いての話題は糸川博士がメイン。
 なんでも糸川博士は失敗を失敗と言わないで想定内とする天才だったとか。報告書には成果が並べられていて、失敗に関してはきわめて希薄だったようだ。もっともラムダでは衛星打ち上げがまだ副産物的なものだったので、当然といえば当然なのかもしれない。
 また予算確保が上手だったようである。ポイントは難しい話を判りやすく説明したこと。技術者というと難しい用語を並べ立てるものだが、糸川博士はそうしなかったのが勝因のようである。見習ってほしい現代のトップ多数…。ただその際、おいしい焼き鳥を持参するエピソードもあったが、これは現代ではちょっと微妙かな。
 また前回発見の報告があった糸川博士の大量の遺品のほんの一部も出た。この中にラムダの資料があるのだが、補助ブースターが250ミリになっていた。実際には310ミリだったので、これが何故250であるのか謎とのこと。…図面を書いた人がご存命とのことで、そのうちいきなり追求されてびっくりするかもしれん(笑)。
 ただ出演者の皆さんも初見の資料ばかりで、思わずじっと見入ってしまっているのがいとおかし(笑)。ロケットまつりの中にまたロケットまつりがある状態とでも言うのだろうか。
 そういった中でいきなりバイオリンの話題が出て来る。資料に挟まっていた新聞の切り抜きのようだが、糸川博士はロケット以前にはバイオリンの製作も研究していた。でもその弓がまた、当時5万したものを3千円程度で作れると吹き込んでいたらしい。…地でそーゆー人でしたか(笑)。
 (※当時の5万は今の50万以上か?。垣見さんの初任給が1万ちょっとの時代である)
 垣見さんのコンコルド体験も興味深かった。優雅に飛んでいたものと思っていたコンコルドだが、意外と乗り心地は悪かったようである。騒音の問題が大きいため、降下が急であったことが原因らしい。また窓が小さくて外が見にくいとか。しかし一生に一度以上は音速を超えてみたいので羨ましいかぎりである。しかも旅費が…げふんげふん(笑)。
 林さんの調査によるロケットの班分けと人数の詳しい数値も出たが、ずんずんと増えている様子。とはいえ規模の拡大に対して相応に増えるのは当然なのだが、最近の急増は統合に絡んだもの。MV8に至ってはH2Aと変わらない規模である。
林さん「増えた分が居なくても飛ぶわけですね」(笑)。
 もっとも技術の伝承にはいいのかもしれない。…いいのかもしれないが期間が開くのはいただけないのは当然。
 ペンシル発射の記録もあり、垣見さんの名前も…間違って…載ってるし(笑)。ちなみにこれはある図書館にあるそうです。
 ところでペンシルは糸川博士の意気込みのためか、ロケットの基礎の殆どを築いたそうである。
 そのためベビーやカッパは…
 垣見さん「その後のはおまけです」(笑)。
 またオメガロケットというのは初めて聞いたが、これは実現前に次のステップに飛んだようだ。
 垣見さん「これは単なる計算です」(笑)。
 もっともきっちり計算してあるようですのでご安心を。
 また糸川博士が遺した「やる気」「勉強」「出会い」という言葉が印象に残っている。

 休憩時間はあさりさん秘蔵のロケット打ち上げシアター。H2の映像などが上映される。…これを見ているとH2、いやN1の頃から行っていれば…と思うことしきりである。もっともインターネットが無い時代に打ち上げを見に行くのは困難だったと思うけどね。
 続けて後半がそのまま始まり、林さんによる例の2段目すっぱーん事件のロケットの動画を上映。過酸化水素が漏れ出し、しゅーっと噴出している。秋葉教授は水をかけろと指示したらしいが、林さんらはもう2段目に火がつくと判って逃げ出す準備。いやあ写真と違って動画は判りやすくていいわ(笑)。

 続けて…久しぶりに「ぴーーーーっ!」という内容が続くので省略(笑)。
 (※お察しください…)

 まあそれは忘れて、MVのその後についての話題。現状では費用がかかりすぎるということで、1段目にH2AのSRB−Aを使う案と、MVの設計を見直す案が戦っているような状態らしい。どっちがいいとは簡単には言えないのだが、現在のMVは相当に最適化された設計のため、安いからと他のブースターの1段目と置き換えても良くなるとは思えないらしい。過去に似た考え方のJ1というロケットがあったのだが、結局は開発費が高騰してお蔵入りしてしまった前科もあるからね。
 (※MV廃止のソースは、そうしたい人物がぶちあげたらしい…)
 アメリカでも地球軌道の衛星を惑星探査機に仕立てたことがあったが、環境条件の違いから不具合が連発して開発も増大。しかも実際に飛ばしてみたら軌道投入時に爆発して失敗してしまった例もあるそうだ。車をニコイチする感覚ではまだ宇宙機は駄目なようである。
 またH2Aも7号機から成功が続いているが、ロケットの製造時期によりまた危ない時期があるのではないかという話も出た。アリアンなどは大量発注をかけて品質を安定させていたらしいが、日本がいきなりH2Aを数ダースまとめて発注するような事態は考えにくいのも事実。連続成功といっても時期が離れればまたリセットされてしまうし、なかなか大変である。
 (※実は確証は全く無いのだが柴田が種子島でうろうろしていた頃、H2Aは5機で1ロットという話を聞いたような気がする。…6号機が失敗だったから合っているのかな?。つーことは次のIGSは10機目でいいとして、ETS−8は11機目か…?。あれは初のSRB−Aの4丁がけだし、心配になってきたぞ)
 また現場を簡単に考えるトップは失敗するという新聞記事が紹介される。なかなか考えさせられる記事だが、そうだよなあと思っている人がトップにいないで、こんな場所で拍手をしている事態をなんとかしなけりゃいかんな(笑)。

 続けてあさりさんからのプレゼント!。これはもう我も我もと欲しがる人続出…とはならなかった。実はISSの日本のモジュールである「きぼう」の文鎮なのだが「いつまでたっても仕事が終わらない(笹本さん)」「いつまでも報われない(あさりさん)」「希望が無くなる(林さん)」という霊験あらたかな呪いがかかっているという説明があったら皆引くわ引くわ(笑)。しかも松浦さんのナイス提案でジャンケンで負けた人にプレゼントという落ち。柴田は1回目で負け残ってしまい青くなったが、2回目で順当に勝ったのでほっとした次第である。貰えなくてほっとしたプレゼントって…。ちと複雑な当選者に対して「パンドラの箱に最後に残ったのは希望」「これ以上は落ちない」というのはフォローになってないような気がする(笑)。

 質問コーナーでは「導火線で各段を点火していた頃、もし1段目が異常燃焼した場合に2段目以降のキャンセルはどうしていたのでしょうか」という問い。
 林さん「できません」(きっぱり・笑)
 もっともタイマーを使うようになってからはそんなことは無いそうなのでご安心を。
 これについては林さん所有のビデオがたまたまあったので臨時の上映会となる。…借りていた松浦さんが持ってきたことを思い出したという僥倖があったが別の話。
 先にペンシルの発射映像があり、2段ペンシルの発射シーンがある。2段目が飛び去った後に、先端が平らな1段目がついていくもの。珍しいというか、これDVDで欲しいというか。(※ロケットまつり本の付録となる計画があるらしい)
 いろいろと魅力的な映像が並んでいて寄り道多数の結果、ようやくK8−10に辿り着く。37年4月24日の失敗の様子で、発射後に海に飛び込んでしまい、順調に導火線が燃えて発射してしまったもの。確かに止められないわなあ、こりゃ。
 離れて見ていた記者達が全滅まで予想していた派手な爆発で、いやもう現場に居たならばトラウマになりそう。しかしこれは怪我人無しなのだ。当時のロケットの規模から発射に関わる人たちは半径50メートル程度の円内に入るような狭い場所に固まっていたのだか、ロケットは奇跡的にそこを避けていったのだ。奇蹟というか何と言うか、そういうこともあるものである。
 (※固体ブースターの事故というと最近ではブラジルであったが、こちらは大変なことになった)
 
 続いてJEMのモジュールに関わった人の質問…「上がるんですか?」(笑)。
 松浦さん「上がらない方がいい」
 ロシアのミールの寿命を考えると、同様にロシア製が大半のISSの寿命は近いのではないかという不安もあるし、上げてしまえば維持費で日本の宇宙開発予算の大半が持っていかれるし…。もっとも離脱されては困るアメリカが微妙に逃げられない打ち上げスケジュールを提示しているので、なかなか悩ましいことになっているのだろう。(※おまけに日本は自前の有人機が無いので、下手すると日本人滞在者が1人以下なんて事態も考えられる)
 笹本さん「800億あれば、はやぶさが何機飛ばせる!?」(笑)
 もっとも上がらない可能性もあり、その一つがシャトルの後継機に予算も人も意欲も奪われているらしいということ。終わりと判っているものに対するモチベーションの持ち方が問題か。もっともジェミニが最後に飛んだ時なんかは結構楽しんでいたようだが、そういった余裕も無い程なんだろうかと思うとやっぱり不安。
 林さん「大統領は就任時にシャトルで飛ぶべき(笑)」…地球がいとおしくなる…前に自分がいとおしくなりそうです(笑)。
 (※宇宙飛行をして地球を見下ろすと、そのあまりの大気の薄さなどを目の当たりにして、地球がとてもいとおしく思うようになるそうである)

 まあいろいろ無難な話題からちょいレッドゾーンな話題もあったが無事に終了。tasさんsさんと別れた後、色々あれこれやってホテルに戻る。ノートパソコンであれこれ打ってから就寝。明日の施設見学に備えて体力の回復を図る。
 




 スペースランチ2006。…価格の割にちょっと貧弱なのは宇宙のお約束なのか。


 旋回椀設備。スマートな外観である。


 同、ぬいぐるみがぶら下がっている。人間用ではないので先端はこのように簡単。


 宇宙ステーション試験棟。打ち上げ予定…のものもある。


 ソユーズのカプセル模型。アクリルの蓋がされて乗れません。


 駐車場近くのパラボラ。


 

06/04/23 調布・三鷹 航空宇宙技術研究センター一般公開へ

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